京都三大学教養教育研究・推進機構(教育IRセンター)主催平成26年度 第2回公開研究会を開催します。
平成26年度 第2回 公開研究会
日時 平成27年2月19日(木)15:00~17:00
場所 京都工芸繊維大学 1号館 0111講義室
京都府京都市左京区松ヶ崎橋上町1
地下鉄烏丸線「松ヶ崎駅」出口1 徒歩8分
演題 リベラルアーツとしての自然科学カリキュラム
リベラルアーツとしての自然科学カリキュラムの役割は、1)科学の考え方になじむこと、2)現代社会に必須の科学の原理を身につけること、3)科学や技術の社会的意味や役割を理解することなどである。
近年、アメリカの大学で絶大な人気を集めている「未来の大統領のための物理学・技術」という教科書を書いたR. A. Mullerは、自分の授業の特徴をシラバスで次のように説明している。「未来の大統領のための」という形容詞句は、真面目な意味で使っている。高校で物理を履修して来なくても学べる一方、大学で物理を専攻している学生にとっても新しい発見があるはずで、自分に不足している部分を補えるだろう。多少の計算はしてもらうことになるが、数学で苦労をさせるようなことはしない。例えば81、2、2E40、2E-40の平方根、2E5 x 3E9 = 6E14の関係を知っている程度で良い。
Mullerは文系の学生に科学の素晴らしさを伝えたい、異分野の学問の大切さを伝えたいと思ってこのコースを開発し、アメリカの学生に大いに歓迎された。その志は他の多くの大学教員によって引き継がれている。この意図を実現するためには一定のディシプリンに依拠する方法と、複数の分野を統合(integrate)する方法の2つがある。ここではその両方について、コンテンツの作り方と実際に生じる問題についてお話ししたい。
講師 小笠原 正明 (おがさわら まさあき)先生
(大学教育学会 会長、北海道大学 名誉教授)
【講師略歴】
1968年 北海道大学助手・講師・助教授、1992年 北海道教育大学教授、1995年
北海道大学教授等を経て現職。
1977年 日本放射線化学会 理事、2002年 日本高等教育学会 理事。
【専攻】放射線化学、考古物理化学、科学技術教育。
【著書・論文】
●小笠原正明「ユニバーサルアクセス時代の化学教育-カリフォルニア大学バークレー校の入門化学-」『現代化学』2006年4月号。
●小笠原正明「『化学プロジェクト』のモデル授業」『大学教育ジャーナル』第4号、2008年。
●小笠原正明『現代人のための統合科学』筑波大学出版会、2012年。
参加申込方法
下記の京都三大学教養教育研究・推進機構のメールアドレスに、お名前、ご所属、連絡先(メールアドレス、電話番号)をご記入の上お送りください。
E-Mail:kyouyou@kpu.ac.jp
参加費 無料
後援 財団法人 大学コンソーシアム京都(予定)